買ってはいけない高配当株は、利回りが高くても、利益や資金に余裕がなく、配当を続けるのが難しい銘柄です。
配当収入を増やしたくても、減配や株価の下落による損は避けたいものです。
これから高配当株を買う方や、保有銘柄を見直したい方は、利回り以外に何を確認すればよいか迷うこともあるでしょう。
この記事では、注意したい7つの特徴と、配当性向・業績・財務状況の見方を具体例とともに解説します。
購入前に調べるポイントがわかり、気になる銘柄を買うか見送るか、自分で判断するための基準を持てます。
大切なのは、利回りだけで選ばず、今後も配当を支払える根拠を確かめることです。
高配当株投資がおすすめされない3つの理由
高配当株には、株を持ちながら定期的に配当金を受け取れる魅力があります。
ただ、「配当が多いから安心」とは限りません。
株価が下がったり、配当が減ったりすれば、思っていたほど資産が増えないこともあります。
まずは、利回りを見るだけでは気づきにくい3つのリスクを押さえておきましょう。
配当をもらっても、株価の下落で損をすることがある
高配当株で見落としたくないのが、受け取った配当金よりも、株価の下落による損失が大きくなるケースです。
配当は株価と切り離して考えるものではありません。
たとえば、配当を受け取る権利がなくなる「権利落ち日」には、理論上、配当金に相当する分だけ株価が下がります。
企業の資産から株主にお金を払い出すため、その分が株価に反映されるという考え方です。
実際の株価は当日の売買や相場全体にも左右されるので、必ず配当額と同じだけ下がるわけではありません。
長く持っていても、業績悪化などで株価が大きく下がることはあります。
購入時の配当利回りが5%でも、株価が購入価格から10%下がれば、2年分の配当と同じ額の含み損が出る計算です。
これは配当額が変わらず、税金や手数料を考えない場合の例です。
損益を確認するときは、配当の受取額だけでなく、株価の値上がり・値下がりも含めた「トータルリターン」で見てください。
配当をもらえているのに、資産全体では減っていた、という見落としを防げます。
減配・無配になると、株価も下がりやすい
配当は、預金の利息のようにあらかじめ約束されたものではありません。
業績や資金繰りによって、配当額が減る「減配」や、配当がなくなる「無配」になることがあります。
配当を目当てに買っていた投資家が売りに回れば、配当収入が減るだけでなく、株価も下がるおそれがあります。
気をつけたいのは、業績が悪くなっても、すぐに減配するとは限らない点です。
手元資金を使って配当を維持している場合、配当額だけを見ていても変化に気づけません。
利益のうち、どれだけを配当に回しているかを示す「配当性向」も確認しましょう。
たとえば80%なら、利益の大半を配当に充てています。
利益が減ったときの余裕は小さくなりますが、80%を超えたら必ず減配するという境界線ではありません。
過去の減配、会社の配当方針、手元資金もあわせて見る必要があります。
配当には税金がかかり、再投資できる金額が減る
課税口座で受け取る国内上場株式の配当には、通常、20.315%の税金がかかります。
配当利回りが4%でも、源泉徴収後の手取りは購入額に対して約3.19%です。
申告方法などによって最終的な税負担は変わります。
配当金を再投資する場合も、使えるのは税金を差し引いた後のお金です。
一方、企業が利益を社内に残して事業に再投資する場合は、その時点で株主個人に配当課税は生じません。
この差は長期の運用に影響します。
ただし、税金だけを理由に、無配の成長株のほうが必ず有利とはいえません。
企業が利益をどう使い、どれだけ成長できるかによっても結果は変わります。
NISAの成長投資枠では、国内上場株式の配当を非課税で受け取れます。
ただし、非課税で受け取るための条件は、受取方法を証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」にしておくことです。
2024年からのNISAには非課税保有期間の期限はありませんが、投資枠には上限があります。
税制の詳細は、国税庁の「株式・配当・利子と税」、「NISA制度」、金融庁のNISA特設サイトで確認できます。
買ってはいけない高配当株に共通する7つの特徴
利回りが高くても、配当を続ける力が弱っている企業には注意が必要です。
ここでは、購入前に確認したい7つの特徴を紹介します。
どれか1つに当てはまるだけで投資に不向きとはいえませんが、複数が重なっているなら、利回りの高さに引かれて買う前に立ち止まって考えましょう。
配当利回りが6%を超えるなど、周囲と比べて高すぎる
配当利回りが6%を超えていると、魅力的に見えるかもしれません。
ただ、配当が増えたのではなく、株価が下がったために利回りが高くなっている場合もあります。
配当利回りは「年間の1株当たり配当金÷株価×100」で計算します。
年間配当が50円なら、株価1,000円では5%、株価が700円に下がると約7.1%です。
受け取る配当額が同じでも、数字のうえでは高利回りになります。
こうした見かけの利回りに引かれて買ってしまうのが、「利回りの罠」です。
6%という数字だけで危険と決めず、同業他社やその銘柄の過去の水準と比べてください。
株価が下がっているなら、その理由が一時的なものなのか、業績の悪化なのかを確かめましょう。
表示されている配当が過去の実績か、今期の予想かも大切です。
配当性向が100%を超える状態が続いている
配当性向が100%を超えているということは、その期の利益より多い金額を配当に回しているということです。
利益だけでは足りず、過去に蓄えた資金などを使って配当を出す状態が続くなら、先行きに注意しましょう。
「タコ足配当」とは、稼いだ利益だけでは配当を賄えず、過去に蓄えた資金や資産を取り崩して配当を支払うことを指す表現です。
こうした支払いが続くと、会社の財務的な余裕が失われ、配当の維持も難しくなります。
ただし、配当性向が1年だけ100%を超えたという理由で、「タコ足配当」と決めつけることはできません。
資産の減損など、現金の支出を伴わない一時的な損失で会計上の利益が減り、配当性向が跳ね上がることもあります。
見るべきなのは、高い配当性向が続いている理由と、実際に配当を支払うお金を稼げているかです。
通期の決算短信などで過去3期程度の配当性向を比べ、営業キャッシュフローや手元資金も確認してください。
赤字の期は配当性向だけでは判断しにくいため、配当額と資金の動きを直接見るほうが役立ちます。
営業利益が3年以上減り続けている
安定して配当を出し続けるには、本業で利益を上げる力が欠かせません。
営業利益が3年以上続けて減っているなら、その力が弱まっていないかを確認したいところです。
不動産の売却などで最終利益が増えていても、本業の不振が解消したとは限りません。
営業利益を見るときは、減った理由まで確認しましょう。
売上が落ちたのか、原材料費が上がったのか、人件費や広告費が増えたのかで、今後の見通しは違ってきます。
将来の成長に向けた先行投資が原因という場合もあります。
単年では見えにくい変化をつかむには、決算短信や決算説明資料で過去3〜5期の推移を並べる方法が有効です。
銀行など営業利益で比較しにくい業種は、その業種に合った利益指標を使ってください。
株価が何年も下がり続けている
配当を出し続けていても、株価が数年にわたって下がっている銘柄はあります。
長期的な株価下落は、事業の先行きや配当の継続に不安がある可能性を示します。
ただし、相場全体や業種全体の値下がりに巻き込まれている場合もあり、チャートだけでは原因を判断できません。
配当を受け取り続けても、含み損がそれを上回れば、全体の損益はマイナスです。
「配当があるから大丈夫」と考えず、下落の理由を調べることが大切です。
まずは5年程度の株価推移を見て、同業他社や市場全体と比べてみましょう。
200日移動平均線なども参考になりますが、それだけで買い時や回復の見込みがわかるわけではありません。
業績や配当予想の変化とあわせて確認してください。
記念配当や特別配当で、一時的に利回りが上がっている
創業記念などで上乗せされる「記念配当」や、資産の売却益などをもとに出す「特別配当」は、翌年も同じ額をもらえるとは限りません。
今年の配当だけで計算すると、高利回りに見えることがあります。
たとえば、普通配当が年30円、記念配当が20円なら、合計は50円です。
株価1,000円では利回り5%ですが、記念配当がなくなれば、普通配当だけの利回りは3%になります。
決算短信や配当のお知らせで、普通配当と上乗せ分の内訳を確かめましょう。
翌期の配当予想が公表されていれば、そちらも確認します。
一時的な上乗せを除いても、保有したいと思える利回りかどうかが判断のポイントです。
自己資本が少なく、借入金の負担が重い
自己資本比率は、企業の総資産のうち、返済義務のない自己資本が占める割合です。
一般に、この比率が低く借入金が多い企業は、業績悪化や金利上昇によって、配当に回せるお金が減りやすくなります。
たとえば自己資本比率20%未満、有利子負債倍率3倍超といった水準は、詳しく調べるきっかけになります。
ここでいう有利子負債倍率は、利息の支払いが必要な負債を自己資本で割ったものです。
ただし、適切な水準は業種によって大きく違うため、同じ数字をすべての企業に当てはめることはできません。
特に金融業は、一般の事業会社と分けて見る必要があります。
同業他社との比較に加え、現預金がどれだけあるか、借入金の返済時期が偏っていないか、本業から安定して現金が入ってくるかも確認しましょう。
景気や市況の影響を受けやすく、保有銘柄も同じ業種に偏っている
海運、鉄鋼、資源関連などは、景気や市況によって利益が大きく変わる業種です。
好調な年の配当を、そのまま毎年受け取れるものとして考えないようにしましょう。
市況が落ち着くと、利益に合わせて配当も減る場合があります。
こうした銘柄そのものの特徴に加えて、持ち方にも注意が必要です。
何社に分けて投資していても、同じ業種ばかりなら、業績悪化や減配が重なるおそれがあります。
保有銘柄を業種ごとに分けて、投資額が偏っていないか確認してください。
通信や食品など、景気の影響を比較的受けにくい事業との組み合わせも考えられます。
ただし、業種を分けても株価下落や減配のリスクがなくなるわけではありません。
高配当株に向いていない人・向いている人
高配当株が合うかどうかは、何のために運用するのか、いつ使うお金なのかによって変わります。
魅力的な利回りを見つけても、まずは自分の目的に合っているかを考えてみてください。
高配当株が向いていない人と、ほかの運用方法
近いうちに使うお金を運用したい人や、元本が減ることを避けたい人には、高配当株は向きません。
必要なときに株価が下がっていれば、損をした状態で売らざるを得ないからです。
短期間で大きく増やしたいという目的にも、定期的な配当を重視する投資は合いにくいでしょう。
ただし、短期間で大きな利益を狙う運用には、それだけ大きな損失のリスクも伴います。
個別企業の決算を確認する時間が取れない場合も、運用方法を考え直す余地があります。
初心者だから一律に不向きというわけではありませんが、利回りだけで選ぶのは避けたいところです。
・株式インデックスファンド
多くの企業に分散できます。ただし、市場全体の下落による元本割れには注意が必要です。
・高配当ETF
複数の高配当株にまとめて投資でき、個別銘柄を選ぶ負担を減らせます。価格や分配金は変動するため、一定の収入が約束されるわけではありません。
・預貯金や債券
使う時期や元本の安全性を重視する場合の検討先です。債券は発行体、通貨、満期前の売却などによってリスクが異なります。
なお、債券型ファンドは個別の債券を満期まで持つのとは仕組みが違い、元本や定期的な分配金が保証されるものではありません。
名前だけで安全と判断せず、それぞれの特徴を確認してください。
高配当株が向いている人と、長期保有の考え方
高配当株は、当面使わない資金で運用し、配当を生活費の一部や再投資に充てたい人に向いています。
退職後の収入源を増やしたい場合などにも、選択肢の1つになります。
ただし、配当額は変わるため、生活に欠かせない支出をすべて配当で賄う前提には注意が必要です。
減配や株価下落が起きても困らないよう、生活費や予備資金は別に確保しておきましょう。
長く持てば必ず利益が出るわけではありませんが、配当が続けば受取額は積み上がります。
たとえば購入額に対して年4%の配当が10年間変わらず続いた場合、税引き前の受取総額は購入額の40%です。
これは再投資をしない単純計算で、株価の値下がりや税金は含んでいません。
・10年程度以上の長期運用に充てられる、当面使わない資金
・配当性向や業績を理解するための知識と、定期的に決算を確認する時間
・株価が大きく下がっても生活に支障がなく、保有を続けるか冷静に考えられる余裕
・生活費の補助や再投資など、配当の具体的な使い道
これらに当てはまるなら、資産の一部に高配当株を組み入れることを検討できます。
長期保有を前提にしていても、買った理由が崩れていないかは定期的に見直しましょう。
高配当株を選ぶときの4つのチェックポイント
気になる銘柄が見つかったら、利回り、配当性向、配当の実績、事業と財務の安定性を確認します。
以下の数字は候補を探すための目安であり、安全を保証する条件ではありません。
業種や会社の配当方針に合わせて使ってください。
配当利回り3〜4%台を目安に、配当が続くかを見る
候補を探す際は、配当利回り3〜4%台を入り口の目安にできます。
ただし、この範囲なら安心というわけではなく、適切な利回りは金利や相場環境によっても変わります。
大切なのは、利回りの高さより、その配当を続けられるかどうかです。
5〜6%以上の銘柄が見つかったら、増配によるものか、株価下落によるものかを調べましょう。
3〜4%台でも、業績が悪化していれば同じ確認が必要です。
予想配当の内訳、過去の配当額、最近の業績を並べて見ると、高利回りになっている理由をつかみやすくなります。
配当性向30〜50%を目安に、利益に対して無理がないかを見る
配当性向が30〜50%程度なら、利益の半分以上を配当以外に残している計算になります。
利益をすべて配当に回す企業に比べれば、事業への投資や借入金の返済にも利益を振り向けやすい配分です。
ただし、利益が現金として手元に残っているとは限りません。
また、安定した事業では高めの配当性向を掲げる会社もあれば、成長投資を優先して低く抑える会社もあります。
数字の高低だけでなく、配当方針と事業の状況が合っているかを見てください。
配当性向は「年間の1株当たり配当金÷1株当たり当期純利益×100」で計算できます。
同じ期間の数字を使い、一時的な利益や損失がないかも確認しましょう。
過去10年ほどの配当実績を調べる
過去10年ほどの配当を調べると、業績が厳しい年に、会社が配当をどう扱ってきたかが見えてきます。
減配があったかだけでなく、どのような理由で減らし、その後どう回復したかも参考になります。
増配を続けている実績も判断材料です。ただし、過去に減配していないことは、将来の配当を保証しません。
また、2026年時点で直近10年を調べても、2008年の金融危機や2011年の東日本大震災は含まれません。
これらの時期の対応を知りたいなら、さらにさかのぼる必要があります。
各社のIRサイトにある配当履歴を確認し、株式分割があった場合は、比較する数字が調整済みかも見てください。
記念配当や特別配当を分けておくと、通常の配当の変化がわかりやすくなります。
事業の安定性と自己資本比率を確かめる
通信、食品、医薬品、電力・ガスなどは、暮らしに必要な商品やサービスを扱っています。
景気が悪くなっても需要が急減しにくい面はありますが、燃料費、規制、競争、特許切れなど、それぞれのリスクには注意が必要です。
財務面では、一般の事業会社なら自己資本比率40%以上を候補探しの目安にする方法があります。
ただし、業種によって資産や負債の持ち方は異なるため、同業他社との比較が欠かせません。
比率だけでなく、現預金と借入金、継続して現金を稼ぐ力も確認しましょう。
・配当利回り3〜4%台:候補探しの目安です。
高利回りになっている理由まで確認しましょう。
・配当性向30〜50%:利益に対する配当の負担を見ます。
業種や会社の配当方針も考慮してください。
・過去10年程度の配当実績:増減の経緯と、不況時の対応が確認のポイントです。
・自己資本比率40%以上:この数字を目安に、事業の安定性、借入金、現金収入も確認しましょう。
条件に当てはまる銘柄が見つかっても、すぐに購入を決めず、最新の決算と配当予想を確認してください。
過去の実績がよくても、足元では状況が変わっていることがあります。
高配当株に関するよくある質問
ここでは、購入前に迷いやすい4つの疑問に答えます。
Q:危険な兆候は、まずどこを見ればわかりますか?
まずは、配当性向、営業利益、キャッシュフローの推移を確認してください。
配当に利益の大半を使っている一方で、本業の利益も現金収入も減っているなら、配当を続ける余裕が小さくなっている可能性があります。
1つの数字で判断せず、過去3期ほど並べて見るのがおすすめです。
減益が続いているなら、会社が説明している理由も読みましょう。
配当性向は通期決算短信などで確認できますが、四半期資料には載っていない場合もあります。
資料は各社のIRサイトで入手できます。
数字を読んでも配当を維持できる理由がわからないときは、購入を見送る判断も大切です。
Q:JTや日本郵船は、本当に買ってはいけない銘柄ですか?
銘柄名だけで「買ってはいけない」と決めることはできません。
事業のリスクに加えて、購入価格、保有目的、ほかの保有資産との組み合わせによって判断が変わります。
JTなら国内外のたばこ事業や規制の影響、日本郵船なら海運市況や事業ごとの収益の変動を確認します。
そのうえで、配当が減る可能性や株価の値動きを、自分がどこまで受け入れられるかを考えましょう。
知名度や過去の高配当実績だけを頼りにせず、最新の業績と配当方針を調べることが出発点です。
Q:配当をもらっていても、損をすることはありますか?
あります。
受け取った配当の合計より、株価の下落による損失が大きければ、全体の損益はマイナスです。
たとえば100万円で購入し、年4万円の配当を5年間受け取った場合、税引き前の合計は20万円です。
課税口座で毎回20.315%が源泉徴収される前提では、手取りは約15万9,370円になります。
株式の評価額が80万円になっていれば、配当を足しても購入額を約4万630円下回ります。
配当は一定、再投資なし、手数料や申告による税額調整なしの例です。
保有中の値下がりは含み損であり、売却したときに売却損が確定します。
保有中も「現在の評価額−購入額+税引き後の累計配当」を確認しておくと、配当だけに目を向けずに済みます。
証券口座の損益画面では配当が別表示になっている場合があるので、集計範囲にも注意してください。
Q:個別の高配当株と高配当ETFは、どちらが長期保有に向いていますか?
企業を自分で選びたいか、複数銘柄にまとめて投資したいかが、選ぶときの大きな違いです。
個別株は保有銘柄や割合を細かく決められる一方、それぞれの業績を確認する手間がかかります。
高配当ETFなら、1つの商品を通じて複数の銘柄に投資できます。
1社の減配が全体に与える影響を抑えやすいものの、業種の偏りや相場全体の下落による値下がりには注意が必要です。
分配金も一定ではありません。
個別企業を調べる時間が取りにくいなら、高配当ETFは検討しやすい選択肢です。
ただし、銘柄の選定基準、業種の構成、信託報酬を確認してください。
公表される分配金利回りには運用費用がすでに反映されている場合があるため、信託報酬を単純にもう一度差し引くと二重計算になります。
どちらが必ず有利とはいえません。
管理にかけられる時間と、どの程度の分散が必要かを考えて選びましょう。
長く持てる高配当株の探し方
確認するポイントがわかったら、ランキングや証券会社の検索機能を使って候補を探してみましょう。
最初からすべての企業を調べる必要はありません。
条件で絞り、その後に1社ずつ決算を読むと進めやすくなります。
高配当株ランキングは、候補探しに使う
ランキングを見るときは、何を基準に並べているかと、いつの情報かを確認してください。
配当利回り順なのか、増配実績や財務状況も考慮しているのかで、上位に並ぶ銘柄は変わります。
連続増配年数、配当性向、自己資本比率などで絞られた一覧は、候補探しの参考になります。
ただし、厳しい条件を満たしていても、割安で買えるとは限りません。
ランキングは購入の結論ではなく、調べるきっかけとして使いましょう。
気になる銘柄があれば、最新の決算や配当予想を確認し、記事の公開後に変化がなかったかを確かめてください。
証券会社のスクリーニングで候補を絞る
スクリーニングは、条件に合う銘柄を検索する機能です。
証券会社によって指定できる項目が違うため、まずは配当利回りや自己資本比率など、使える項目から設定してみましょう。
以下は、一般の事業会社を探す場合の設定例です。
前述の目安より少し広く候補を拾い、配当の継続性などは個別に確認する想定です。
| スクリーニング項目 | 設定・確認の目安 |
|---|---|
| 配当利回り | 3.0%以上〜5.0%未満。予想か実績かを確認 |
| 配当性向 | 30%以上〜60%未満。会社の配当方針も確認 |
| 自己資本比率 | 40%以上。業種に応じて条件を調整 |
| 連続増配年数 | 5年以上を検索の入り口にし、個別に過去10年程度の配当を確認 |
| 営業利益の推移 | 直近3期で減益が続いていないかを確認 |
検索できない項目は、企業のIR資料で補います。
候補が多すぎる場合は条件を絞り、少なすぎる場合は、どの条件を緩めるか理由を考えて調整してください。
候補が見つかったら、過去5年程度の株価と、最新の業績・配当予想を確認します。
株価が下がって利回りが上がっているなら、その理由を決算資料で調べましょう。
最初は10〜20銘柄ほどの一覧を作り、各社のIRサイトや適時開示資料を読みながら絞ると取り組みやすくなります。
最後に、すでに持っている銘柄と業種が偏らないかも確認してください。
高配当株は利回りの高さより「配当を続ける力」で選ぶ
高配当株を選ぶときに大切なのは、今の配当が多いかだけでなく、その配当を今後も支払えるかです。
配当性向、利益と現金収入の推移、財務状況、過去の配当をあわせて見てください。
利回りが6%を超えている、配当性向が100%を超えている、株価が長く下がっているといった銘柄もあります。
こうした特徴は、すぐに購入を否定する条件ではありませんが、理由を調べずに買うのは避けたいところです。
気になる点が解消しないなら、魅力的な利回りでも購入を見送って構いません。
まずは配当利回り3〜4%台、配当性向30〜50%などを目安に候補を探し、過去の配当と最新の決算を確かめてみましょう。
数字を機械的に当てはめるのではなく、「この会社は何で稼ぎ、その配当をどう支えているのか」がわかる銘柄から検討すると、納得して選びやすくなります。

