2021.01.08
なぜ投信で失敗するのか?3000件以上の相談実績のあるIFA法人が解説
突然ですが、
テーマ型投資信託、毎月分散型投資信託はお持ちでしょうか?
お持ちの方には特に読んでいただきたいのが今回の記事です。
弊社には年間様々な方からのご相談があります。
今回は、その中でも「投信を保有して失敗されている方」に特に多かった、
- 偏った投資
- 毎月分配型への誤解
について、解説していきます。
- 偏った投資
分散投資とは、欧米では古くからある格言で「卵は一つのかごに盛るな」と表現されます。
同じ資産を保有した場合、その資産に万一があったときに大きな痛手を被ってしまうという意味です。
「分散投資をした方が良い」というアドバイスは、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
一例として「偏った投資」の中でお客様から特に相談が多かった、「テーマ型投資信託」を取り上げさせていただきます。
テーマ型投資信託とは、「5G」や「次世代モビリティ」など、
そのテーマにあった株式を分散して購入している投資信託のことです。
テーマ型投資信託の大きな問題点は2つです。
- 投資対象が特定のセクターに偏っている
- 投資信託として販売される頃にはテーマとして遅れている場合がある
まず、(1)についてです。
分散投資は、同じ資産に資産を集中させないことです。
しかしテーマ型の投資信託の場合、特定の投資対象に偏ってしまう特徴があります。
例えば、一時期はやった「e-コマース」の場合小売りや流通業者に投資対象が偏ってしまいます。
その結果、同じような値動きをする株式が多くなってしまいます。
上がるときは同じように上がるものの、下がるときは一緒に下がるので結果として値動きが激しくなってしまいます。
そのため分散効果が出ているとは言えません。
次に(2)です。
投資信託は通常、複数の会社が組成に関わり、商品化するまでに時間がかかってしまいます。
図化したイメージです。
この図のように、話題になったタイミングでやっと商品組成の議題に上がり、
様々な調整を終えた後に商品化されます。
その結果、投資家に販売されるときには、すでに人気を集めた後で、割高な状態になっていることが考えられます。
例えば、ブラジルの株式ファンドが一時流行しました。
2016年のオリンピック開催や、成長性が高いと投資信託の残高がどんどん増えていきました。
しかし、残高(純資産額)がピークを迎えてから株価は軟調になり、我慢できずに解約する人が相次ぎました。
その後、ブラジルは2018年にボルソナーロ政権に代わってから株価が史上最高値を更新しました。純資産残高を見ていただければわかる通り、この時ほとんどの方は投資信託を売却してしまっていたのです。
- 毎月分配型への誤解
毎月分配型投資信託は一時日本の投資信託の残高上位10種を占めるほど人気がありました。
今は、そこまでの人気はありませんが根強い人気があるのも事実です。
しかし、実は分配金を受け取ることは資産形成の面ではあまり効率的ではないのです。
最も大きい問題点が過度に分配金を受け取ってしまうことです。
分配金には、運用益から分配される普通分配金と元本から取り崩しされる特別分配金の2種類があります。
運用益を普通分配金として受け取ると課税されてしまいます。
そして「複利効果」も受け取れません。
どういうことかというと、分配金として受け取らずに再投資すると、
元本に上乗せして効率的に増やすことができます。
例えば人気の海外株式ファンドの値動きがこちらです。
2014年から運用した場合、最初は300円の分配金が出ていました。
1000万円投資した場合、1か月に30万円受け取ることができたのです。
しかしその後、過度な分配金によって元本が取り崩され、分配金は40円まで下がってしまっています。
分配金を含めたトータルリターンは+11.36%です。
この間同じ海外株式に投資するニッセイ外国株式インデックスファンドは+47.37%でした。
一例ではありますが、分配金として受け取らずに再投資すると、5年で36.01%もの差がついてしまうのです。
これが資産形成に不利とされる理由です。
現在は、投資信託の定期売却サービスがあります。
適正な額を取りくずしていけば、資産寿命を延ばす武器になるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
このように、投資信託は分散もされているし、プロが運用してくれているから何でも安心ということはありません。
テーマ型も毎月分配型も窓口の営業マンが販売しやすい為、拡大した背景もあります。
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