2021.04.21
そのもったいないが投資には悪影響!サンクコスト効果とは
【こちらのコラムの内容は動画でもご覧いただけます】
皆さんこのような経験は無いでしょうか?
・映画館でつまらない映画を最後までみる。
・行列に並んだ時間がもったいないので最後まで並びきる。
また、運用においてこのような経験はないでしょうか?
・保有銘柄の買値を下げるためにナンピン買いをする。
・値下がりして売るに売れない資産がある。
・保険を見直したいが解約返戻金が気になる。
実は、これら全てにサンクコスト効果が関係しています。
サンクコスト効果とは、「事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと」を言います。
簡単に言うと、「使ったお金や時間」がサンクコストです。
いくつかの例でご説明します。
映画館で映画を見始めたものの、内容が思ったよりも面白くない。支払った映画代の2000円がもったいない…
また買い物としているとき、探していた商品とは少し違うけれど、買って帰らないと今までの時間がもったいない…
面白くないのであれば、映画を見る時間をほかのことに使った方が合理的だと思いますし、
買いたいものと買い物にかけた時間を混同する必要はないと思います。
次の例です。
だいぶ高値で買っているから、ナンピン買いをしようかな…
また、必要のない保険を見直したいけど、やめると解約返戻金が少ないし元本割れするのがもったいない…
これから買うかどうかの判断に「高値で買っているから」という情報は必要ないと思いますし、
元本割れしたとしても必要のない保険にお金と時間を使う方がもったいないと言えます。
使ったお金や時間は「過去」です。変えようのない過去にとらわれず「今」どうすることが合理的なのか、
自分自身に問いかけることが重要です。
サンクコスト効果を理解して、損切ができる判断力を身につけましょう。
何でも損切すれば良いということではありませんが、選択肢が多くなりますので
ここからは運用に活かす考え方を3つお伝えします。
1つ目。値下がりした場合に、ナンピン買いをする人がいます。
潤沢な資金があればいいですが、いずれ追加で買えなくなくなってしまい、ずっと損失を抱えたままの人も少なくありません。
今持っている銘柄をこれから初めて買うとした場合に、「買いたいと思うかどうか」を基準に判断することをおすすめします。
買いたいと思うのであればOKですが、目的が買値を下げることならやめておいた方がよいでしょう。
2つ目。「ルールを決めずに運用している」ということも、損切できない人の特徴です。
運用する前に何%損をしたら売却すると決めておくことで、下落時にすばやい判断ができます。
3つ目。いくら自分でルールを決めていたとしても「きっと戻るだろう」とか「今回だけは一時的な下げだろう」などと、ルールを変えてしまうことが多々あります。
そのために信頼できるアドバイザーを味方につけることをお勧めします。
アドバイザーはあなたのために客観的なアドバイスしてくれます。
サンクコストは変えようのない「過去」です。
これからどうしたいかで判断しましょう。
そして、ルールを決めて運用しましょう。
さらに信頼できるアドバイザーを味方につけ、
過去にとらわれず合理的な判断をしていきましょう。