外国株式の税金の取り扱い

近年、注目を集めている外国株式ですが税金の取り扱いが日本株式と異なるため、悩まれている方も多いのではないでしょうか?

今回は外国株式の税金の取り扱いについて解説していきます。


■外国株式の税金について

外国株式の税金は、原則として国内株式と同じですが、外国で課税される額との調整や外貨の円換算といった外国証券特有の注意点もあります。

外国株式の売買で得た利益に対する税金は、日本国内に住んでいれば、国内株式と同様の取扱いとなりますが、為替の差損益も含めて計算されることや配当控除がないこと、外国税額控除の適用を受けることができるなど、国内株式と異なる場合もありますのでご注意ください。

<図>

※復興特別所得税:2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間、所得税額に対して2.1%が追加課税(20.315% うち所得税15.315% 住民税5%)

 

■外国株式の売却益について

国内株式と同様に、税率20.315%の申告分離課税です。

外国株式の売却益は、多くの場合「租税条約」によって外国では課税されず、国内株式と同様に、申告分離課税の対象となり20.315%(所得税15.315%、住民税5%)が適用され、特定口座もご利用いただけます。

 

■外国株式の配当金について

原則として、外国で源泉税が徴収され、引かれた後の金額に対して、再び国内で課税されます。外国株式の配当金に対する課税は、国内での課税方法は国内株式と同様ですが、配当控除の適用はありません。なお、外国で源泉徴収された分は、一定の範囲内で所得税や住民税から控除することができる「外国税額控除制度」があります。

※外国株式の売却損失があれば、上場株式等や特定公社債の売却益、特定公社債等の利子と損益通算でき、残った損失は確定申告により最長3年間の繰越控除も適用が可能です

 

■外国税額控除制度

国際的な二重課税を排除するために、外国での源泉徴収がある場合、外国で納付した税額を一定の限度額の中で、国内の所得税や住民税から差引く制度です。下記の算式により計算した控除額を限度として控除できます。控除しきれなかった分は翌年以降3年間の繰越しが認められています。

<図>

   

■主要国の配当金と利子に対する課税の概要

外国株式の配当金に対する税金は二重課税をさけるため、投資先の国(発行地国)の税法、国内の税法および租税条約によって決められています。外国株式の配当金は、まずその発行地国において課税されます。その国と我が国の間に租税条約が締結されている場合には、原則としてその条約で定める税率(=制限税率)により課税されます。

例えば、米国株式の配当金は、まず米国にて10%の税金が差し引かれた後、残りの90%部分に対して日本にて20.315%が課税されます。したがって、配当金が100とすると、源泉徴収後の手残りの金額は、下記の通り「約71.7」となります。

(100-10%)×79.685%=約71.7(手取り)

配当金100-71.7%=28.3%となり、配当金のうち、およそ28.3%が源泉徴収されます

 

<図>

 

出典:「主要国の配当課税の概要」(財務省)(2023年1月現在)

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/risi03.pdf

「主要国の利子課税の概要」(財務省)(2023年1月現在)

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/risi02.pdf

をもとにバリューアドバイザーズにて作成

※表中の税率は一般的なもので、これ以外の場合もあります

 

■外国株式の配当金に対する課税方法イメージ(円換算時の為替差損は考慮していません)

■主な外国株式の課税方法の違い

<図>

※米国株式はNISA口座でも10%税金がかかります

※H株は、中国本土の税制により、H株の配当金は現地で企業所得税10%が徴収されます

※レッドチップの場合、一定の条件により本土企業として企業所得税が課税されるため、銘柄ごとに異なります

※H株とレッドチップは、現地での配当課税がない場合は、外国税額控除もありません

 

外国株式への投資はリターンの期待値としても、国(地域)の分散としても、有効な手段になりますので、税金の取り扱いを理解して皆様の資産運用に活用して頂ければと思います。

税務の具体的なご相談は、最寄りの税務署あるいは税理士にご相談ください。

資産運用のご相談は、IFA法人 株式会社バリューアドバイザーズまでお問い合わせください。

 

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