インデックスファンドの勘違い。低リスクは間違っている?

2018年から積立NISAが始まり、インデックスファンドで投資デビューされる方が増えています。

しかし、インデックスファンドは一括りに「初心者向け」「低リスク」とは言えません。

そこで今回は、勘違いしがちな「リスク」と「コスト」について解説していきます。


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目次

(1)インデックスファンドとは
(2)インデックスファンドでよくある勘違い 「低リスク」について
(3)インデックスファンドでよくある勘違い 「コスト」について
(4)最後に

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(1)インデックスファンドとは

インデックスファンドとは、例えば日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)と呼ばれる「市場の平均値」と同じ値動きになることを目指しているファンドです。

実際に、日経225インデックスファンドでは日経平均株価に採用されている225社の株式が組入れられており、その他の会社の株式を買うことはありません。

業績好調な銘柄を選ぶ「人員」や「手間」をかけずに機械的に購入するため、低コストで分散投資できることがメリットです。

それに対しアクティブファンドは、ファンドマネージャーや運用チーム、最近ではAIが銘柄を選定し運用を行っています。

その為、アクティブファンドはインデックスファンドよりも「手間」や「人員」がかかる分、相対的にコストが高くなります。

ちなみに、世間では「コストもかかるため、アクティブ型投信の運用成績は長期では必ずインデックス型に負ける」というのが定説になっていますが、実際の運用成績を見ると長期でインデックス型を上回るリターンを出しているアクティブ型は少なくありません。こちらの詳細はまた別のコラムでお伝えしたいと思います。

 

(2)インデックスファンドでよくある勘違い 「低リスク」について

「インデックス」と名称している投資信託は2021年4月13日現在で645本あります。

特に最近は、国内株式の代表的な指数である日経平均や、アメリカ株式市場の代表的な指数であるS&P500のように広く市場全体に投資するタイプだけではなく、特定の投資テーマに沿って組み入れ銘柄の数を絞り込んだ投資信託も増えています。

このような投資信託は「テーマ型」と呼ばれています。

テーマ型インデックスファンドは、広く分散するのではなく特定のテーマや業種の中で組み入れ銘柄を分散させリターンを追求しています。

代表的なものは三菱UFJ国際投信の「eMAXIS」 シリーズの「Neo」や、

大和アセットマネジメントの「iFree」サブシリーズとして「NEXT」があります。

 

テーマ型投資信託のうち、組み入れ銘柄が少ないものでは「iFreeNEXT FANG+インデックス」があり、投資対象は10銘柄です。

「eMAXIS Slim 全世界株式」が2,958銘柄への分散投資になっているので、テーマ型投資信託の銘柄の集中度合いがうかがえます。

値動きの大きさにも違いがあります。

「iFreeNEXT FANG+インデックス」は昨年一年間のリスク(値動きの大きさ)は27.18%だったのに対し、「eMAXIS Slim 全世界株式」は16.49%でした。

10ポイント以上も変動の差がある結果となっています。

インデックスファンドも商品によっては「低リスク」とは言えないのです。

 

(3)インデックスファンドでよくある勘違い 「コスト」について

投資対象を「全世界株式」としているインデックスファンドだけでも、10種類あります。

その中でも「楽天・全世界株式インデックスファンド」は0.132%の年間コストなのに対して、「eMAXIS Slim 全世界株式」は0.1144%です。

単純にコストだけを比較すると、「eMAXIS Slim 全世界株式」の方が良いように感じますが、

実は具体的な投資対象や銘柄数が異なります。

2021年4月13日現在「楽天・全世界株式インデックスファンド」が参照している投資対象は全世界の中小型株を含む8,839銘柄に対し、「eMAXIS Slim 全世界株式」は2,675銘柄に分散されています。

このように、コストだけに囚われて比較をすることはその運用商品の特性を正しく理解することには繋がらないのです。

 

(4)最後に

インデックスファンドは仕組みが分かりやすく初心者向けですが、ファンドそのもののリスクが一律に低いわけではありません。

今回ご紹介したようなテーマ型インデックスファンドの場合、特定のセクターや銘柄に偏ってしまい、値動きをマイルドにする分散投資効果は低いと考えられます。

そのため、市場環境によっては想定以上の値動きを経験する可能性があります。

ご自身にあったリスク(値動き)の大きさが分からないかたは是非一度ご相談ください。

 
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