2023.04.25
新NISAの概要
2024年から新しくなるNISA制度。
新NISAと呼ばれていますが、今までのNISAと何が違うのか?そもそもNISAとはどういう制度なのか?
このような疑問を解消いただけるコラムとなっています。
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- そもそもNISAとは
NISA(Nippon Individual Savings Account=少額投資非課税制度)とは、NISA口座において毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税となる制度で2014年から始まりました。
本来、株式や投資信託などの金融商品に投資して利益を得ると20%の税金を課せられますが、NISA制度を利用すれば税金がかからなくなります。(2037年まで復興特別所得税0.315%が加算され20.315%)
現行のNISAは、いずれも拠出が可能なのは2023年までとなっており、成年が利用できる一般NISA・つみたてNISA、未成年者(0〜17歳)を対象としたジュニアNISAの3種類があります。
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新制度が適用される2024年からはジュニアNISAが廃止されますので、一般NISAとつみたてNISAを中心に変更点をお伝えいたします。
一般NISAは年間120万円で最大投資枠は600万円、5年間非課税で運用することが可能です。つみたてNISAは年間40万円で最大投資枠は800万円、20年間非課税で運用することが可能です。
一般NISAは上場株式・ETF(上場投資信託)・公募株式投資信託・REIT(不動産投資信託)などに投資可能であるのに対し、つみたてNISAで投資可能な商品は、金融庁が選んだ長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託(2023年2月9日時点では214本)に限定されます。
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- 新NISAはどう変わる?
これらの現行NISAは、2024年からNISA制度の内容が図1のように新しくなります。
図1
「非課税期間の無期限化」、「投資枠の拡大」、「併用可能」、「簿価残高方式で管理」の4点が大きな変更点となりますので解説していきます。
① 非課税期間について
新NISAは、非課税期間が「無期限」とされます。そのため、NISAを活用して投資を行うと5年や20年の制限はなく、半永久的に非課税で運用することが可能です。
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② 投資枠の拡大について
現行のNISA制度では、一般NISA(年間120万円で最大600万円の投資枠、5年間非課税)とつみたてNISA(年間40万円で最大800万円の投資枠、20年間非課税)のどちらか一方しか選べませんでした。
新NISAでは、現行の一般NISAに該当するのが「成長投資枠」、つみたてNISAに該当するのが「つみたて投資枠」という名称になります。
成長投資枠は、上場株式投資信託、投資信託REITなど現行一般NISAと同じ金融商品が対象です。しかし、①整理・監理銘柄②信託期間20年未満、高レバレッジ型及び毎月分配型の投資信託等を除外したものに限定されます。投資上限額は年間240万円まで拡大します。
つみたて投資枠は、「つみたてNISA」と同じ金融庁の基準を満たした投資信託、REIT(不動産投資信託)などが投資対象です。投資上限額は年間120万まで拡大します。
③ 併用可能
現行のNISA制度では、一般NISAとつみたてNISAを併用することはできず、どちらか一方を選ぶ必要がありました。
しかし、新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能です。
つまり、成長投資枠で年間240万円まで投資を行い、つみたて投資枠で年間120万円まで投資を行うと、年間最大360万円まで投資を行うことが可能です。
生涯投資枠の上限は1800万円までとなっており、その中でも成長投資枠の上限は1200万円までとなっています。
例えば、成長投資枠を活用し年間240万円の投資を5年間続けたとすると、残りの600万円はつみたて投資枠を利用することとなります。
一方でつみたて投資枠の上限は生涯投資枠と同じ1800万円までとなっており、年間120万円の投資を15年間続け、1800万円の上限まで投資を行うことも可能です。
④ 簿価残高方式での管理
現行のNISAでは、投資した商品を売却したとしても枠の再利用を行うことができませんでした。一方、新NISAで保有していた商品を売却すると、売却した金額のうちの投資金額分を翌年以降に再利用することが可能です。
例えば、図2のように5年間で毎年、成長投資枠240万円とつみたて投資枠120万円で投資し1800万円の生涯投資枠を使い切ったとします。5年目で1800万円分の商品をすべて売却した場合、翌年以降に1800万円の投資枠が再度利用可能です。
(ただし、年間の投資上限額は決まっているので最大で360万円となります。
図2
いかがでしたでしょうか?
非課税期間の無期限化や投資枠の拡大によってNISAがより活用しがいのある制度となったかと思います。
もっとも「何のために運用するのか?」という目的と、自分に合った投資商品を選ぶことが制度を上手に活用できるかどうかの重要なポイントとなります。
ぜひご活用ください。
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